イントロダクション
サイトのリニューアルは、最新のデザインや技術を取り入れる貴重な機会です。しかし、見た目の改善だけでなく、インフラ – つまり、サイトの「基盤」となる技術的な側面も考慮しなければなりません。実はこれらの要素はサイトのパフォーマンス、セキュリティ、そして最終的にはユーザーエクスペリエンスに直接影響を与えます。
この記事は特にマーケティング担当者やWeb担当者といった非エンジニア向けに、ウェブサイトリニューアルにおけるインフラ設計開発の基本的な理解を深め、エンジニアと効果的に連携するための基礎知識を提供します。この知識を身につけることで、リニューアルプロジェクトをよりスムーズに進めることができるでしょう。
以降のセクションでは、インフラの基本的な要素と、それらがマーケティング戦略にどのように結びつくか、さらにはエンジニアとのコミュニケーションに関するポイントまで、サイトリニューアルにおけるインフラ開発の全体像を掴むための情報を提供します。リニューアル検討中の方は一通りチェックしてみてください。
ウェブサイトリニューアルのための基本的なインフラ知識
ウェブサイトのインフラは、そのパフォーマンスやセキュリティ、データ管理の根本を担っています。そのため、リニューアルプロジェクトではインフラの各要素を正確に理解し、適切に計画することが不可欠です。以下に、特に非エンジニアでも理解しておくべき基本的なインフラ要素を紹介します。
サーバーとホスティング
サーバーは、ウェブサイトのデータを保存し、ユーザーのリクエストに応じて情報を提供する役割を果たします。ホスティングは、これらのサーバーを物理的に設置し、維持管理するサービスの事です。適切なホスティング環境を選択することは、ウェブサイトの速度や可用性、セキュリティに大きな影響を与えます。
現在では、ホスティングはさまざまな形態で提供され、共有ホスティング、VPSホスティング、専用ホスティング、クラウドホスティングなどが存在し、ホスティングサービスごとに長所と短所があるたえ、エンジニアと相談しながら、適した形態を選定することが必要です。
可用性…システムが障害などに遭遇しても稼働し続ける能力の事です。
ドメインとDNS設定
ドメイン名は、インターネット上のウェブサイトを特定するためのアドレスです。サイトリニューアル時にサーバーを乗り換える場合は新たなサーバーにアドレスを適合するため、DNSの切り替えという作業が必要になります。
DNS（Domain Name System）は、ユーザーがドメイン名を使用してウェブサイトを訪れる際に、対応するサーバーのIPアドレスを探すためのシステムで、簡単に言うとサーバーとドメインを結びつける役割を担っています。
データベースの役割と設計
データベースは、ウェブサイトの情報（ユーザーデータ、商品情報、ブログ記事など）を整理し、管理するためのものです。データベース設計は、データの構造を決定し、どのようにデータが格納、システムやユーザーからアクセスされるようにするかを決定するプロセスです。
適切な設計はデータの保存や取得のスピードを向上させる、データの冗長化により保全を図り、可用性を向上することにもつながります。
コンテンツ管理システム（CMS）
CMSは、ウェブサイトのコンテンツを作成、編集、管理するためのツールです。WordPressやMovabletypeなど、さまざまな種類のCMSがあります。マーケティング担当者が直接コンテンツを更新できるようにするため、適切なCMSを選択することは重要です。
具体的な選定方法は以下のページでご紹介しています。
SSL証明書の重要性
SSL（Secure Sockets Layer）証明書は、ウェブサイトとユーザーの間で交換される情報を暗号化し、保護します。これにより、ユーザーデータの安全性が確保され、ユーザーからの信頼も得られます。現在では多くのブラウザでSSL化されていないページは閲覧が不可になっているため、SSL証明書の導入は必須です。
リニューアルに当たってはサーバーが変更される場合はDNSの切り替えとともに証明書の入れ替えも必要な作業となります。
これらの要素はすべて相互に関連しており、ウェブサイトの全体的なパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスに影響を与えます。だからこそ、インフラの基本を理解し、それぞれの要素がプロジェクト全体にどのように影響を与えるかを把握することが重要なのです。
マーケティング活動に影響するインフラ要素
続いてこのセクションでは、各種のインフラ要素がサイトに期待されるマーケティング要素においてどのように貢献するかを一覧でご紹介します。
これを理解することで、マーケティング担当者はインフラ開発の要件をより具体的にエンジニアに伝えることができるでしょう。
| マーケティング効果 | インフラ設計要素 | 影響の詳細 |
| ユーザーエクスペリエンスの向上 | サーバーとホスティング、CDNの選定 | 高速なサーバー環境とCDNの利用はサイトの読み込み速度を向上させ、ユーザー体験を改善します。 |
| SEOの向上 | サーバーパフォーマンス、SSL証明書の導入 | 高速な読み込み速度は閲覧者のＵＸをよくすることから検索エンジンからの評価を高めます。 HTTPS化は検索エンジンから評価される基礎的な要素です。 |
| ユーザー信頼の向上 | SSL証明書の導入、データベース管理、ホスティングの選定 | 安全なデータ通信とデータ保護はユーザーからの信頼を得るために重要です。 冗長化された可用性の高いシステムはどのような時でも適した情報の提供が継続できるため、ユーザーの信頼性を高める効果があります。 |
まとめ
この記事では、マーケティング担当者がウェブサイトのリニューアルを計画し、実施する際に知っておくべきインフラの基本知識と、それがマーケティング効果にどのように関連するかを解説しました。
サーバーとホスティング、ドメインとDNS設定、データベース設計、CMS、SSL証明書のようなインフラの基本要素は、ウェブサイトのパフォーマンス、SEO、セキュリティ設計など、マーケティング効果に大きな影響を及ぼします。
マーケティング担当者がこれらの知識を持つことで、エンジニアとのより良いコミュニケーションが円滑にすすみ、効果的なサイトリニューアルが実現されることを期待しています。