Webサイト運用とは?何をどうすればよいのか?

Webサイト運用とは?

Webサイト運用とはサイトを通じて目的を達成するため、継続的に管理し最適な状態で運営を続けるための全ての活動をさします。

実際にサイトを公開するとコンテンツの更新や問い合わせ対応といった業務が発生します。本記事では今一度サイト運用とはどのような目的で行うべきかを明確にし、また各種業務がどのようにビジネス成果に貢献するかを理解していただき、日々のサイト運用の参考にしていただければと思います。

目次

Webサイト運用の目的とは?

Webサイトの目的はECであれば売り上げ拡大であったり、BtoB向けのサイトであればリードの獲得であったりします。Webサイト運用の目的はその「サイト自体の目的達成を実現するために継続的におこなわれる業務」となります。

サイト自体の目的達成のための業務といっても直接売上に貢献したりリード獲得に貢献したりする業務だけがサイト運用に存在するわけではありません。

サイト運用の目的においては、直接サイトの目的達成に貢献する業務もあれば、間接的に貢献する業務もあることから、両方の軸の目的を持つ必要があります。

Webサイトの目的とサイトの目的と事業ミッションの関係

以下では、直接的なビジネス成果の向上以外の、サイトの成果に間接的に貢献するような目的をご紹介します。

UXの向上

様々なサイト運用業務によりユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。例えば、最適なタイミングでのコンテンツ提供、使いやすいナビゲーション、迅速なページ読み込み、モバイルフレンドリーなデザインなどを提供し、ユーザーにとっての使いやすさと満足度を高めることなどが挙げられます。

情報の正確性を担保

Webサイトは、企業や組織からサービスや正しい情報を提供し、顧客や訪問者とのコミュニケーションを促進する役割を果たします。しかし、サービスや事業に変更があるとWebサイトに掲載している情報と事業の間に齟齬が生まれる場合があります。

例えば、製品の改善による私用情報の変更や価格の変更、営業時間変更による店舗情報の変更などが挙げられます。サイト運用はこのような齟齬を避け、情報を正確に維持するという目的を持っています。

Webサイト運用で得られる効果は?

ウェブサイト運用によって得られる効果は、ブランド認知、マーケティング効果の向上、など、企業や組織のオンライン上での成功に直結するものです。

各効果についてもう少し具体的に詳しく説明します。

マーケティング効果の向上

 ウェブサイト運用は、マーケティング活動における効果を向上させることができます。例えば、継続的なSEO対策やコンテンツマーケティングを通じて、ウェブサイトの可視性や検索エンジンランキングを向上させ、ターゲットオーディエンスにアクセスしやすくします。他には ウェブサイトからのリードや販売の増加、顧客のロイヤルティの向上などが具体的な成果として現れます。

ブランド認知と信頼性の向上

最新で正確な情報を提供ができているプロフェッショナルなウェブサイトは、信頼性や専門性をアピールし、顧客や利害関係者の信頼を獲得します。

ビジネス成果の向上

ウェブサイトの適切な運用により、ビジネス成果を向上させることができます。ウェブサイトからのリードや販売の増加、顧客のロイヤルティの向上などが具体的な成果として現れます。また、ウェブ解析やデータ収集を通じて、マーケティング戦略やウェブサイトの改善点を特定し、より効果的な施策を展開することも可能です。

Webサイト運用の仕事内容

Webサイトの運用の業務とはその機能や役割を考えると大きく分けると3つに分類できると考えています。

  1. サイトそのものが存在するための土台となる部分の改善や維持管理
  2. 一般的にサイトといわれるHTMLやシステムで構築されている部分の維持管理
  3. サイト内に配置される各種コンテンツの維持管理となります。

以下では具体的に各分類における業務がどのようなものがあるか、またどのような効果をもたらすかをご紹介します。

運業務の説明

Webサイトに関する運用業務

UIの改善

ユーザーがウェブサイトやアプリケーションを利用する際のインターフェースの使いやすさや視覚的な魅力を向上させるための業務です。Webサイトの運用では以下のようなUI改善業務があります。

  • ナビゲーションの改善:ユーザーがウェブサイトやアプリケーション内の情報や機能を簡単に見つけられるようにするために、効果的なメニュー、サイドバー、検索機能などを考えアップデートしていき、ユーザーが迷わずに目的の情報にアクセスできるよう改良を重ねていきます。
  • インタラクションの改善:ユーザーがボタンをクリックしたり、フォームを入力したり、アニメーションやトランジションなどのエフェクトを活用して、ユーザーとのインタラクションをより鮮やかで直感的な基にするために改善を行います。
  • アクセシビリティの向上:特定の障害や制約を持つユーザーに対して、ウェブサイトやアプリケーションを利用しやすくするためのアップデートも必要になります。
  • 改善テスト:ユーザーからのフィードバックの収集やA/Bテストを実施しデータに基づいてサイト改善を実施していきます。

機能改善

Webサイトの機能改善とは、Webサイトとして持っている「はたらき」を追加したり、改善したり削除を行う業務です。

例えば、以下のような機能強化が挙げられます。

  • 検索機能の強化
  • 表示速度向上
  • ログイン機能やフォーム機能の改善
  • 各種マーケティング機能との連携改善

自動化や省力化の推進

ウェブサイトの運用や管理プロセスを効率化し、人的な手間を削減するための取り組みです。Webサイトの運用を長期に行っていると管理するコンテンツが増加することが多くあります。管理にかけることができるコストや人員が一定の場合、継続してコンテンツを維持していくためには自動化や省力化は必ず必要になる業務です。

以下にいくつかの自動化や省力化の例を挙げます。

  • コンテンツ管理システム(CMS)の活用: CMSは、ウェブサイトのコンテンツを管理するためのツールです。CMSを活用することで、非技術者でも簡単にコンテンツの作成、編集、公開ができます。また、スケジュール投稿やバージョン管理などの機能も提供されており、作業の自動化と効率化に貢献します。
  • ワークフローの自動化: ウェブサイトの運用における定型作業やプロセスを自動化することで、効率を向上させます。たとえば、コンテンツの承認プロセスや公開手順の自動化、タスクの自動割り当てなどがあります。ワークフローツールや自動化ツールの導入により、人的な介入を減らし、作業の効率化を図ることができます。
  • タスクのスケジュールと自動実行: 定期的に実施するタスクやバックアップ、アップデートなどをスケジュール化し、自動的に実行することができます。
  • 自動応答やチャットボットの活用: ウェブサイト上でのユーザーの問い合わせやサポートに対して、自動応答やチャットボットを導入することで、迅速かつ効率的な対応が可能です。予め用意されたFAQや一般的な問題に対する回答を自動化することで、人的な対応が必要なケースを減らし、スムーズな顧客対応を実現します。

これらは一部の例ですが、自動化や省力化のポテンシャルは多岐にわたります。ウェブサイトの特性や目的に応じて、適切な自動化手法を選択し実装することが重要です。

バグは不具合の修正

Webサイトを運用しているとサイトの作り方やブラウザ、ユーザー環境などによって想定していたサイトの正常な動作やパフォーマンスが実現できなくなる場合があります。そのような場合に対応する業務がイレギュラーとして発生します。

コンテンツの追加

運用中のサイトに新たにコンテンツを追加することもサイト運用においては重要な業務となります。企画を考えながらコンテンツを開発、サイトに公開するところまで一気通貫で田王する業務の場合もあれば、他部署などの担当者からの依頼を受けてコンテンツを公開するといった部分的な対応も発生します。

コンテンツに関する運用業務

Webサイトのコンテンツ運用は、ウェブサイト上のコンテンツの管理と最適化を行うための活動です。様々なコンテンツとその運用手法を組み合わせながら、定期的なコンテンツの更新と最適化を行うことで、ウェブサイトの質と効果を向上させることができます。

次ではよく実施されているコンテンツの運用業務をご紹介します。

更新が必要なコンテンツの運用

コンテンツの種類の中には運用を前提としている物があります。このようなコンテンツは企画段階からどのように運用を行うかが決定されています。基本的にはそれに沿って対応する業務となります。

具体的にはどのようなコンテンツなのか一部ご紹介します。

  • 期限切れの情報の更新: キャンペーンの実施情報、製品やサービスの価格、営業時間、イベントの日程など、期限切れの情報を定期的に更新します。
  • トレンドやニュースの追加: ウェブサイトのコンテンツを最新のトレンドやニュースに合わせてアップデートします。業界の動向や注目のトピックに関するコンテンツを追加し、訪問者に価値ある情報を提供することを目的に行います。

SEO関連コンテンツの運用

定期的にキーワードの見直しやメタデータの最適化、コンテンツのアップデートを行い、SEO効果を最大化するために運用を行います。

外部的要因によって運用が必要になるコンテンツの運用

社内の事情や顧客のフィードバックによって運用更新が必要になるコンテンツ運用です。意見や要求に応じて、コンテンツを改善したり、新たな情報を追加したりすることで、顧客満足度の向上を目的として行います。

インフラに関する運用業務

Webサイトのインフラに関する運用は、ウェブサイトのホスティング、サーバー管理、ネットワーク設定など、インフラストラクチャ全体の管理と運用を指します。以下に、Webサイトのインフラに関する重要な要素と運用のポイントを示します:

サーバー管理とモニタリング:

ウェブサイトのインフラ運用では、サーバーの管理とモニタリングが重要です。セキュリティパッチの適用、バックアップの実施などを定期的に行い、サーバーの安定性とセキュリティを確保します。また、モニタリングツールを使用してサーバーのパフォーマンスや可用性を監視し、問題が発生した場合には早期に対応します。

ネットワーク設定とセキュリティ対策

ウェブサイトのインフラ運用においては、ネットワーク設定とセキュリティ対策も重要な要素です。ファイアウォールの設定、SSL証明書の導入、DDoS攻撃対策などを実施し、ウェブサイトのセキュリティを強化します。また、定期的な脆弱性スキャンやセキュリティアップデートの適用なども行います。

CMSはフレームワーク、ライブラリーのメンテナンス

サイトにCMSや構築のためにJqueryなどといったライブラリを用いている場合にはそのツールやライブラリを適切に保つためのメンテナンスが発生します。

これはセキュリティパッチやバグ修正、新機能の追加、ファイルのアップデートなどサイトの安定性とセキュリティを確保するために必要な業務となります。

契約に関する運用

サイトは作成したら公開できるというわけでなく、サイトの機能実現や公開を行うために様々なベンダーやサービスと契約をする必要があります。また、サイトとして法的な契約などについてユーザーに提示している場合があります。サイトを継続して運用していくためにはこれらの契約関連のメンテナンスや維持も重要な業務となってきます。

以下に契約で見落としがちな項目をご紹介します。

  1. ドメイン名の管理: ウェブサイトの運用には、ドメイン名の取得と管理が不可欠です。ドメイン名の契約を更新し、ドメインの有効期限を監視することで、ウェブサイトのアクセス性とオンラインプレゼンスを維持します。
  2. ホスティング契約: ウェブサイトをホストするための契約も重要です。ホスティングプロバイダーとの契約を管理し、契約の更新や変更、料金の支払いなどを適切に行います。必要に応じて、サーバーの容量やパフォーマンスについての契約内容を見直し、スケーリングやアップグレードを検討します。
  3. SSL証明書の管理: ウェブサイトのセキュリティを確保するために、SSL証明書を取得し、適切に管理する必要があります。SSL証明書の契約や更新、インストール、更新通知の管理を行い、ウェブサイトのセキュリティを維持します。
  4. 第三者サービスやツールの契約: ウェブサイトの運用には、さまざまな第三者サービスやツールの活用も含まれる場合があります。広告プラットフォーム、ウェブ解析ツール、メール配信サービスなど、契約の管理や更新、利用規約の遵守を行います。
  5. 法的契約とコンプライアンス: ウェブサイトの運用においては、法的な契約やコンプライアンスにも配慮する必要があります。特に、プライバシーポリシー、利用規約、免責事項などの作成や更新、遵守を管理し、ウェブサイトの法的リスクを最小限に抑えます。
  6. サービスレベル契約 (SLA): ウェブサイトの運用におけるサービス品質やサポートに関して、ホスティングプロバイダーや関連サービス提供者との間でサービスレベル契約 (SLA) を締結することがあります。SLAを遵守し、必要なサポートや保守を受けることで、ウェブサイトの可用性やパフォーマンスを確保します。

以上の要素を適切に管理し、契約関連の運用を行うことで、ウェブサイトの安定性、セキュリティ、法的コンプライアンスを確保し、ビジネスの継続性を確保することができます。契約管理には、契約書の作成と更新、期限の管理、料金の支払い、契約条件の遵守などが含まれるため、注意深さと組織的なアプローチが重要です。必要に応じて法的なアドバイスを求めることもおすすめです。

解析に関する運用

Webサイト解析の運用は、ウェブサイトのデータを収集し分析することによって、ウェブサイトのパフォーマンスやユーザー行動を把握し、改善策を見つけるための活動です。

Webサイト解析は継続的なプロセスのため、定期的なモニタリングと解析は、サイトのパフォーマンスやユーザー行動の変化を把握し、改善策を見つけること、その改善によりウェブサイトの効果を最大化するのに役立ちます。

以下にサイト運用におけるサイト解析で代表的な業務を紹介します。

観測手法はサイトにあわせて設定してください。

  1. 目標設定とコンバージョン追跡: ウェブサイト解析では、目標設定とコンバージョン追跡も重要な要素です。具体的な目標(例:購入、お問い合わせ、メーリングリストの登録など)を設定し、解析ツールを使用してコンバージョン率やコンバージョン経路を追跡します。これにより、ウェブサイトの効果やマーケティングキャンペーンの成果を評価できます。
  2. レポート作成と共有: 解析結果をまとめてわかりやすいレポートとして作成し、関係者と共有します。レポートには主要な指標、トレンド、特定のページやコンテンツのパフォーマンス、コンバージョンの詳細などが含まれます。関係者との定期的なレポート共有や会議を通じて、解析結果を活用した意思決定や改善策の検討を行います。
  3. A/Bテストや改善施策の実施: 解析結果に基づいて、A/Bテストや改善施策を実施します。異なるバージョンのページやコンテンツを比較し、効果的な変更や最適化を行います。A/Bテストや改善施策の結果も解析し、成功要因や効果を評価します。

問い合わせ対応

Webサイトの運用における問い合わせ対応は、訪問者や顧客からの問い合わせやお問い合わせに対して、迅速かつ適切に対応する活動です。

顧客からの問い合わせは何かしらの問題が発生していたり、不具合が発生している場合もあるため迅速かつ正確で丁寧な対応が求められます。

まとめ

Webサイト運用といってもコンテンツ更新だけでなく様々な役割を担った業務が存在します。サイトオーナーや運用者の皆様には目的や効果を再度確認しつつ、注力するべき運用項目、終了するべき運用項目を洗い出し、効率の良い効果的なWebサイトの実現に役立てていただければ幸いです。

目次