はじめに|Chatwork × AIボットの可能性とは?
Chatworkを日常業務で利用している中小企業の皆さん、こんな課題を感じていませんか?
- 同じような問い合わせ対応が繰り返されている
- 情報共有の抜け漏れが頻発している
- ChatGPTのようなAIを業務に活かしてみたいが、どう始めていいか分からない
本記事では、中小企業の業務改善担当者・社内SE・ノーコード愛用者などを対象に、ChatGPTなどのAIを活用したチャットボットをChatwork上に構築する方法を、具体的な手順とともに解説します。
ChatworkにAIボットを導入する方法【全体像】
Chatworkは外部のAPIやWebhookと連携できるため、さまざまな技術でAIボットを実装できます。
方法 | 対象レベル | 特徴 |
---|---|---|
Google Apps Script(GAS) + ChatGPT API | 中級 | 無料で柔軟。カスタマイズ性が高い |
Dify + Webhook連携 | 中級〜上級 | ChatGPTを活用した自然言語処理が得意。RAG構成も可能 |
Make(Integromat)やZapier | 初級〜中級 | ノーコードで直感的。定型処理向き |
方法①:Google Apps Script(GAS)× ChatGPT API

📌 できること
- 特定キーワードに反応してChatGPTの返答を投稿
- 自動返信や簡単なナレッジBot構築
🛠 構築手順
- ChatworkのWebhook URLを発行
- 管理者画面からWebhookのイベント(例:新着メッセージ)を設定
- Google Apps Scriptを作成
doPost(e)
関数でWebhookからのJSONを受け取る- OpenAI API(ChatGPT)に送信
- 返答をChatwork APIで再送信
- BotアカウントでChatworkに返信
https://api.chatwork.com/v2/rooms/{room_id}/messages
を使用
✅ メリット
- 無料で始められる
- カスタマイズ性が高い(ユーザーIDごとの処理も可能)
⚠ 注意点
- GASの仕様上、応答が5秒を超えるとエラーになる可能性
- ループ処理防止やセキュリティ(署名検証)は必須
方法②:Dify + Webhook + ChatworkでAI対話ボットを構築
🧠 Difyとは?
Difyは、OpenAIのChatGPTなどをベースにノーコードでAIアプリを作成・公開できるプラットフォームです。独自のエージェント機能、RAG(社内文書検索)連携、Webhookなどが使えるため、業務用の対話Botを簡単に構築可能です。
🤖 Chatwork連携の構成
- DifyでAIアプリ(Agent)を作成
- ChatGPT APIキーを登録
- 対話形式/補助応答形式などを選択
- メモリ(履歴保持)をONにしておくことで、過去の発話文脈も追える
- ChatworkからWebhookでユーザー発言を受信
- GASやNode.jsなどを使ってWebhook受信サーバーを構築
- Webhook→DifyのAPIに問い合わせ
POST /v1/chat-messages
などを使って、Difyにユーザーの発話を渡す
- Difyの返答をChatworkへ返信
- Chatwork APIで部屋に投稿
🧩 擬似的な「対話」は可能?
はい、Difyのメモリ機能とユーザーIDやスレッドIDの管理を工夫することで、過去の発話文脈を踏まえた回答が可能です。Chatwork上では一問一答に見えても、Dify内部で「セッション単位」の履歴管理を行うことで、自然な会話を実現できます。
具体的な作り方はこちらの記事でご紹介。

方法③:Make(Integromat)やZapierでノーコード構築
👥 どんな人向け?
- ノーコードツールに慣れている人
- 技術的な構築は苦手だけど自動化はしたい人
⚙ できること
- ChatworkメッセージをトリガーにしてChatGPTに送信
- ChatGPTの返答をChatworkに投稿
- スプレッドシートやNotionとの連携も簡単にできる
✅ メリット
- GUIベースで簡単にフロー構築
- 条件分岐・フィルターなど高度なワークフロー設計も可能
⚠ デメリット
- 日本語での情報が少なめ
- フリープランでは制限あり
よくある質問(FAQ)
Q1. ChatworkのAPIは無料で使えますか?
A. はい、Chatwork APIは基本無料で使用できます。ただし、APIの使用回数や制限はプランにより異なります。
Q2. Difyのセキュリティは大丈夫?
A. 自社ホスティング(Docker構築)すれば、データは社内完結で守れます。クラウド版でもOpenAIのAPI通信以外は基本閉域で動作します。
Q3. GASとChatGPT連携にはどれくらい費用がかかる?
A. GAS自体は無料ですが、OpenAI APIの利用料は有料(従量課金のため利用するToken によりますが、通常、月数百円〜数千円で運用可能)。
Q4. Chatworkに対話型Botを作るには、どうセッションを管理する?
A. ChatworkのユーザーIDやroom_idを使って、DifyのMemoryセッションIDと紐づけると自然な対話ができます。
まとめ|まずは小さなBotから始めよう
ChatworkとAI(ChatGPT)を組み合わせることで、問い合わせ対応・業務支援・情報整理など、さまざまな業務を自動化・効率化できます。
まずは「簡易な一問一答Bot」から始め、慣れてきたらDifyを使った社内ナレッジBotや営業アシスタントBotへと発展させていくのがおすすめです。
技術レベルや利用環境に応じて、自分に合った構築方法を選んでください。